- 研究科?専攻
- 保健学専攻 修士課程
在学生×教授 メッセージ
研究室の取り組みと、未来に対する想い

主体的に行動し
社会に求められるものを
生み出していってほしい
新開 省二教授
地域保健?老年学研究室
研究指導分野/地域保健学
信頼する先生の下で
ビタミンDの研究を深め
重要性を周知していきたい
細井 かれん
群馬県出身 女子栄養大学卒業
保健学専攻 修士課程2年
市と協同した研究結果をビタミン欠乏症の予防に活かす
細井 女子栄養大学大学院へ進学を決めたのは、新開先生の下で学部生時代の研究を続けたかったからです。卒業研究では、ビタミンDの不足や欠乏には食品摂取よりも、日焼け止めクリームなどの日焼け防止用品の使用頻度が強く影響していることがわかりました。ですが因果関係が解明されていないことを知り、さらなる研究が必要と考えたのです。
新開 私も化粧品に関連したビタミンDについての調査データを持っていたので、私の調査結果を膨らます形で、細井さんの研究を進めることになりました。
細井 学部の卒業研究でも新開先生から指導を受けていて、自由な雰囲気の中でつまづいたときには適切にアドバイスをしていただきました。私がやりたい研究と先生の研究分野が合致していたこともそうですが、新開先生のスタイルが私に合っていたことも進学の決め手でした。
新開 そう言ってもらえるとうれしいです。今はアンケート調査や研究の準備を進めているところですよね。
細井 はい。現在私が取り組んでいるのは、中高年女性のビタミンD不足?欠乏の判定ができるリスクスコアを新たに作成する研究です。体組成や体力測定、骨強度の測定を行うための準備を進めています。
新開 この研究は鶴ヶ島市との共同事業として、40代から70代の中高年女性の住人200名を対象に行うので、大きなプロジェクトになりますね。
細井 先輩方の代からのご縁で、こうして鶴ヶ島市とコラボレーションして研究が進められるのは貴重な経験です。若年女性が注目されがちですが、中高年女性におけるビタミンD不足も骨粗しょう症やサルコペニアの危険性が増加するので、その予防として研究結果が活かせればと思っています。
新開 私も細井さんの研究には大いに期待しています。市側も大学のリソースを使って市民サービスにつながるデータを得られるということで、引き受けてくださいました。修士課程は2年と短いですが主体的に動き、社会のニーズがあるものを開発してほしいです。
細井 修了後の目標はビタミンDの重要性をさらに広めることです。癌や糖尿病といった様々な病気の予防に役立つことはあまり知られていません。この事実を、化粧品開発や食などを通してあらゆる人たちに伝える仕事がしたいです。

データを見る力を養い
臨床現場の課題解決に
活かしてほしい
石橋 健一教授
生体防御学研究室
研究指導分野/免疫学
免疫学の知識を活かして
患者と医療従事者
双方の健康に寄与したい
藤原 秋桜
鳥取県出身 女子栄養大学卒業
保健学専攻 修士課程2年
前例の少ない研究を臨床の現場に活かす
藤原 学部生時代は、環境微生物の同定に関する研究を行っていました。薬剤耐性菌の増加など臨床現場における問題を知り、薬剤の適正使用や感染症予防の重要性に興味を持ったことが大学院進学のきっかけです。卒業研究でお世話になった中屋先生に石橋先生の研究室を紹介していただいたことが後押しとなりました。
石橋 藤原さんは落ち着いていて、実験経験も豊富。今の研究も安定して進められている印象です。
藤原 ありがとうございます。現在取り組んでいる研究は、ストレスによる免疫力低下と食品成分による免疫の活性化についてです。ストレス状態のマウスにユーグレナ由来のパラミロンを摂取させることで、免疫力低下が抑制されるかを実験しています。
石橋 ストレスによる免疫低下に対する食品成分の効果の研究は、前例がまだ少ない分野です。現代社会でのストレスは、健康に様々な影響を与えています。そういった問題に対して食が貢献できることを、この研究で見つけていってほしいですね。
藤原 先行研究が少ないので、手探りで思うように研究が進まない場面もあり、石橋先生には参考文献の紹介や実験へのアドバイスなど、たくさんサポートしていただきました。答えのないものに挑んでいくのは、地道で大変なところもありますが、逆にそこが研究の面白さだと感じています。
石橋 動物実験なので個体差があり、何回も繰り返しながら工夫を重ねていく必要がある中で、本当に頑張ってくれているなと思います。藤原さんはこの研究をどんなことに役立てたいですか?
藤原 私は将来、臨床検査技師として病院で働きたいと考えています。入院患者の免疫を上げることも大切ですが、医療従事者が健康であることも大事だと思っているので、双方の健康支援につなげることも視野に研究を進めています。
石橋 臨床の現場に立つと、課題に対する改善点を考える機会に多く遭遇すると思います。大学院での研究を通して、データを読み解く観察力や思考力を身につけていってほしいです。
藤原 はい。免疫学の専門性と研究スキルを持った臨床検査技師を目指して、これからも研究活動に注力していきたいです。